患者さんのための相談窓口

患者さんの専用相談窓口

医療現場に穏やかさの想いを届けるスタジオレイ

訴えられる医師と訴えられない医師

f:id:studio-lei:20171008154139p:plain

「訴えられる医師と訴えられない医師」から考察した結果、医師が医療事故で訴えられるかどうかは、ミスを犯す回数とはほとんど関係ないし、腕のいい医師が何度も訴えられたり、たびたびミスをしても訴えられない医師がいる。医療訴訟は、医師が患者さんを人間扱いしたか否かである。

 

「訴えられる医師と訴えられない医師」から考察

=スタジオレイの提言=

訴えられる医師と訴えられない医師の違い、分かれ道は、人間力が大切という研究結果が存在します。

要は、患者を大事にしているかどうかの問題であり、そのことが「態度」に「声の調子」に現れます。

  • 医者が話を聞いてくれない。
  • 患者さんに喋る隙を与えようとしない。
  • 気を遣ってくれなかった。
  • 威圧的な言動。
  • 大事にしてくれないと感じた。

患者さんは、このようなピンポイントの分析をされるのです。

 

弊社のドクターセキュリティーサービスのコンセフトは、

  • 「 穏やかな医師人生を送るため」

コミュニケーション能力を鍛えましょう先生!

参考文献:「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい第一感

マルコム・グラッドウェル 著 、沢田博・阿部尚美 訳(光文社)より

最初の2秒でピンと来た事が正しい人間の「第一感」を取り上げた、人間の心理を綴ったもので、心理学で最も重要な新しい研究分野のひとつである「適応無意識」の力を素材として書かれた書籍である。

著者紹介

マルコム・グラッドウェル氏は、ワシントン・ポストのビジネス記者、科学記者を経て、ニューヨーク支局長を務めたジャーナリスト。

「米国屈指のビジネス書作家」とも言われている。

エピローグ部分

(17頁から)

適応無意識は、フロイトの精神分析で言う無意識とは別物だ。フロイトは暗くぼんやりしていて、意識すると心を乱すような欲望や記憶や空想をしまっておく場所だ。

対して適応無意識は、強力なコンピューターのようなもので、人が生きていく上で必要な大量のデータを瞬時に、なんとかして処理してくれる。

心理学者ティモシー・D・ウィルソンは、

  • 「高度な思考の多くを無意識に譲り渡してこそ、心は最高に効率良く働ける。最新式のジェット旅客機が(意識)的なパイロットからの指示をほどんど必要とせず、自動操縦装置で飛ぶのと同じだ。」
  • 「適応無意識は状況判断や危険告知、目標設定、行動の喚起などを、実に高度で効率的なやり方で行っている。」

と表現している。

訴えられる医師と訴えられない医師

(44頁から)

医師の訴えられる可能性が高いのはどういう医師か調べるとき、
それを調べる方法は二つ。

  • まず、医師が受けた教育と実績を調べ、過去数年間に犯したミスの記録を分析する方法。
  • もうひとつは医師と患者の短い会話を聞く方法である。

実を言うと、医師が医療事故で訴えられるかどうかは、ミスを犯す回数とはほとんど関係ない。

訴訟を分析したところ、腕のいい医師が何度も訴えられたり、たびたびミスをしても訴えられない医師がいることが分かった。

一方で、医師にミスがあっても訴えない人がかなりの数に上ることも分かった。

要するに、患者はいい加減な治療で被害を受けただけでは医師を訴えない。

訴訟を起こすにはほかに「わけ」がある。

その「わけ」とは何か。

それは、医師から個人的にどんな扱いを受けたかである。

医療事故の訴訟にたびたび見られるのは、

  • 医師にせかされた。
  • 無視された。
  • まともに扱ってもらえなかった。

という訴えだ。

「患者は好きな医師を訴えたりしないものなの」と医療事故訴訟が専門の弁護士アリス・バーキンは言う。

「この仕事を始めてから、『あの先生のことは好きだから先生に悪いと思うが訴えたい』というようなケースは一度もなかったわ。

その一方で、不手際があったのは患者を最初に診たかかりつけの医師なのに、問題があったとは思えない専門医を訴えたいという人は何人も居たの。

『いつも世話になっている先生のことは良いの。あの先生は好きだから訴えたりしない』と言うのよ。」

パーキンのクライアントに乳房に腫瘍のある患者が居た。腫瘍は転移してから見つかり、その人は腫瘍を早期に発見できなかった内科医を訴えたいと言う。

だが、不手際があったのと見られるのは実は放射線科医だった。

それでもクライアントは主張を変えなかった。

「初めて相談に行ったときから、彼女はその内科医が嫌いだと言うの。

  • ゆっくり話をしてくれないし、
  • 他に悪いところがないか一度も聞かなかった。

からだって。

『あの医師は私を人間扱いしてくれなかった』というわけ。

患者の検査結果が悪ければ、どうしてそうなったのか医師は詳しく説明して、患者の質問に答えなければいけない。

そうしないと患者は人間扱いしてもらえなかったと感じるのね。そういう医師が訴えられるのよ。」

だとしたら訴えられる可能性を知るのに手術が上手いか下手かを調べても意味がない。

医師と患者の関係さえ分かれば良いのだ。


医療について研究しているウェンディ・レビンソンは医師と患者の会話を何百件も録音した。

  • ほぼ半数の医師は訴えられたことがない。
  • あとの半数は二度以上訴えられている。

レビンソンは彼らの会話だけを頼りに、二つのグループの医師に明らかな違いがあることを見つけた。

訴えられたことのない外科医は、訴えられたことのある外科医よりも、一人の患者につきあう時間が3分以上長かったのだ(前者が18.3分に対し後者は15分)。

最初のグループは診察の時間配分を明確に示す傾向がある。

たとえば、「まず診察します。次に悪いところがあればそれについてお話しします。」或いは「分からないことがあれば後で聞いて下さい」という風に。

そうすれば患者はその診察で何をするのか、いつ質問すれば良いかが分かる。

その方が患者は「もっと聞かせて下さい」と言って進んで聞き手にまわり、患者が笑ったり、面白いことを言う場面も増える。

興味深いことに医師が患者に伝える情報の量や質には違いがなかった。

どちらかが薬や患者の病状についてより詳しく話すということはなかったのだ。

違ったのはもっぱら患者への接し方である。

この分析をさらに進めた実験もある。


心理学者のナリニ・アンバディは、レビンソンのテープのうち外科医と患者の会話に注目した。

そして一人の外科医について二人の患者の会話を選んだ。

次に会話の中から医師が話している部分を10秒ずつ選び、全部で40秒のテープを作った。

そして最後にその内容をふるい分けた。

単語を聞き分けるのに必要な高周波の音を発話から取り除いた。

あとは意味をなさないイントネーション、声の抑揚、リズムだけが残る。

ピンポイントの分析をした音を使ってアンバディは、分析した。

それらの音に暖かさ、敬意、威圧感、相手に対する気遣いといった感情が感じられるかどうかを人に評価させてみた。

その結果、彼女はこの評価方法を頼りに、訴えられた医師とそうでない医師を言い当てることができた。

アンバディも同僚もこの結果にはまったく驚いたと言う。

だか種明かしすれば簡単だ。

判定者は外科医の技術レベルについては何も知らなかった。

医者がどのような経験を積み、どんな教育を受け、どのような手順をとる傾向があるかといったことも知らなかった。

患者に何を話していたのかさえ分からなかった。

判断材料は外科医の声を分析した結果だけ。

それで十分、威圧感のある声の外科医は訴えられやすく、声が威圧的でなく患者を気遣うような感じの外科医は訴えられにくかった。

これ以上ピンポイントの分析があるだろうか。

医療事故というと、とんでもなくややこしい問題のように思うかもしれないが、要は患者を大事にしているかどうかの問題であり、その態度は声の調子に現れるのだ。

医師にとって最も損な声は威圧的な声ということになる。

  • 今度、医師の診察を受けに行って、
  • 医師が話を聞いてくれないとか
  • あなたに喋る隙を与えようとしないとか
  • 大事にしてくれないと感じたら

注意してみてほしい。

あなたは医師をピンポイントの分析をして、何か欠けていることに気付いたのだ。

訴えられる医師と訴えられない医師の考察

要するに、医師の仕事は、

  • 感情を持った人間
  • 言語を使う人間

であり、患者は物ではないことを教えてくれている研究と考えます。

医療は、サービス的な事業であるが、最近耳にする「わざとらしい接遇?」ではなく、大切にする気持ちがあれば良いことを示していると考えます。

分かり易く表現すれば、「ベルトコンベアーの上を流れていく物体ではなく、患者さん=人なんだということを真剣に考え、認めることがスタートラインと思います。

決して、医師側の都合だけで進めては危険を抱く事に至るでしょう。

研究後の雑感

今回取り上げた素材は、訴訟の大国アメリカの話です。

昭和の医師パターナリズムの残る日本の医療とは事情が違うのでそっくりそのままというわけにもいかないでしょう。

でも、感情を持った人間・言語を使う人間を扱うことには相違ありませんので、参考にして下さい。


患者さんのご相談窓口

お電話にてご連絡いただける場合(毎日9時〜18時)

下記までご連絡ください。折り返しこちらからご連絡いたします。

代表電話:03-6759-9474


トップ画像引用元:Evan Kirby, Unsplash