患者さんのQOLとQODについては、QOLとは、「生活の質」、QODとは、「死の質」患者さん・ご家族の方のお言葉から、真摯に「個人の価値と尊厳」を感情論抜きで悟ってほしい。
患者さんのQOLとQODについて
=スタジオレイの提言=
「自分だったらこうされたい」が、基本なんです。
- 「患者は、何も知らない!分かってない!」
- 「自分は、医療人だ!医療人とは死を選択するべきで無い!」
- 「自分は、医者だ!医者とは延命するべきだ!」
QOLとは
QOLとは、「生活の質」と言われています。
クオリティ・オブ・ライフ(英: quality of life)とは、一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し、つまりある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念である。(wikipedia)
QODとは
QODとは、「死の質」と言われています。
QODとはクオリティ・オブ・デスの略。もしくは一時点の死を表す「Death」ではなく、死にゆく過程や遺族ケアを含む「Dying」を使用し、クオリティ・オブ・ダイイングという場合もあります。
いずれにせよQODの概念は、いかに満足して死を迎えるか、という終末期の質を表しています。QODは1980年代ごろから欧米で使われはじめ、21世紀に入り研究が盛んになっています。どこで死を迎えるか、どのように死を迎えるか、「死に場所」「死に方」を考え、さらに人生の振り返りや遺言や墓の準備をし、家族や仲間とのコミュニケーションをとることがQODの質を高めると言われています。(All Aboutより)
「人間の幸福」とは奥が深いこと。患者さんのQOLとQODとは、感情論の薄っぺらいものじゃないことをみばさまに気付いていただければ本望です。
この題材は、憲法の「幸福追求権(基本的人権)の考え方を身につける教材でしょう。
キーワードは、「人間は、個々に違う」
患者さん・ご家族の方のお言葉から、真摯に「個人の価値と尊厳」を
「点滴外せ」と激高 、訪問看護師に詰め寄る「私たちの最期は」「自宅で看取る」
.2016年3月30日 (水)配信共同通信社より
2015年10月19日、川崎市の「悠翔会(ゆうしょうかい)在宅クリニック川崎」院長、宮原光興(みやはら・みつおき)(35)による武内嗣夫(たけうち・つぎお)(77)宅への訪問診療が始まった。
宮原は当面は週に2回訪問。末期がんの嗣夫の症状をチェックし、水分摂取のための点滴を調整する。
痛みが強くなってきたら、麻酔作用のある貼り薬を使うことも嗣夫や家族と確認した。
「パイナップルの缶詰を食べたいんだけど」。体温や血圧を測った後、嗣夫は切り出した。
胃の出口ががんでふさがっており、食べ物が腸まで下りていかない。
結局は吐き出してしまうしかないのだが、かんで味わうだけでも、嗣夫にとってはこの上ない喜びだった。
胃からの出血などのリスクがあり、病院では飲食は原則禁止だったが、宮原は嗣夫の希望を優先することにした。
医師のお墨付きを得て嗣夫は顔をほころばせた。
在宅診療は順調な滑り出しに思えたが、翌日早くもトラブルが起きた。
「点滴を外してくれ」。
悠翔会と連携する「サポートライフ・結(ゆい)」の訪問看護師、今平(いまひら)みづほ(50)に嗣夫は詰め寄った。
今平も宮原と同様、嗣夫が入院していた病院から、在宅診療をサポートする目的で紹介された。
嗣夫は口から水分を摂取できず、点滴で補給するための管を装着していた。 「体にまとわり付いて煩わしい」と、いら立ちを今平にぶつけた。
「何のために家に帰ってきたか分からない。最期なんだから、てめえの好きなようにさせてくれ」。命が縮んでも構わないと嗣夫は言う。
「残りの命が半分になりますよ」
点滴の中止は医師である宮原しか決められないと今平が伝えると「おまえは医者の手先か」となじられた。
訪問後、今平は宮原に点滴の扱いを電話で相談した。
宮原はしばらく考えた後、言った。
「武内さんの気持ちを尊重しましょう。中止を望むならそれもやむを得ない」
翌朝、今平は宮原から中止の内諾を得たことは伏せ「点滴、やりたくないんですよね?」と再び尋ねた。嗣夫の本心がどこにあるのか測りかねていたからだ。
嗣夫はうつむいたまま黙っている。
点滴の中止は死につながる。自宅での生活まで縛られたくないという思いと、迫り来る死の間で、嗣夫は葛藤していた。(敬称略)
雑感
患者さんの
- QOL=生活の質
- QOD=死の質
とでは、どっちに重点をおきますか。
この問いが、間違い・勘違いを起こす原因でしょうか。医療を提供する側が決めるのではないということではないのです。
医療側は、患者さんには、求めに応じた医学的見地から説明義務を背負っています。
昭和生まれの医療従事者が現場に居る日本は、救命が優先される事実のようです。
「生きる苦しみ」があることも併せて考慮しないとQOLとQODは疑問が発生するようです。
患者さんのご相談窓口
お電話にてご連絡いただける場合(毎日9時〜18時)
下記までご連絡ください。折り返しこちらからご連絡いたします。
代表電話:03-6759-9474
トップ画像引用元:Shwetha Shankar, Unsplash